【読書感想】宮下奈都「羊と鋼の森」
【ジャンル】企業・仕事
【書評】A
【感想】
北海道の小さな町で調律師になったばかりの外村(とむら)が仕事場の先輩や女子高生のピアニストと関わり合いながら成長していく。
優れた作家の書いた小説は、その物語が持つ温度や音までも感じることができる。
このことを最初に感じられたのは、宮本輝さんの小説だった。物語との接点は文字しかないのに、その文字から、秋の乾いた空気だったり、夏の湿度を含んだ空気だったりを感じられた。
本作での音の表現は、耳だけでなく、目でも捉えられるところがすごい。この表現を味わえるだけでも本作を読む価値がある。