四つ葉のブログ

僕と妻、三人の子どもと暮らしています。趣味は、読書とジョギング、たまにロードバイク。いつかはトライアスロンに。書評=S(時間を忘れる程面白い)A(とても面白い)B(面白い)C(まあまあ)D(いまいち)E(つまらない)※あくまで個人的な感想です。

書評

【読書感想】宮下奈都「羊と鋼の森」

【ジャンル】企業・仕事 【書評】A 【感想】 北海道の小さな町で調律師になったばかりの外村(とむら)が仕事場の先輩や女子高生のピアニストと関わり合いながら成長していく。 優れた作家の書いた小説は、その物語が持つ温度や音までも感じることができる。 …

【読書感想】伊坂幸太郎「クリスマスを探偵と」

【ジャンル】ミステリー・ファンタジー 【書評】D 【感想】 クリスマスイブの日に探偵カールに起こった不思議な出来事。サンタクロースの謎が解き明かされる。 ハードボイルドのような、ハートウォーミングのような新感覚の大人の絵本。 現実に疲れたときに…

【読書感想】真山仁「オペレーションZ」

【ジャンル】その他 【書評】C 【感想】 デフォルト(国家破綻)を回避するため、国の支出を半減しようとする総理。しかし、当然、福祉の切り捨てなど、痛みを伴う改革を断行する必要がある。何が正解か誰にもわからない中で、出された結論とは。 本作は、時代…

【読書感想】池井戸潤「陸王」

【ジャンル】企業・仕事・スポーツ(マラソン) 【書評】A 【感想】 「世の中ってのは、ただ一生懸命に頑張るだけじゃ報われないこともあるんだよ」 足袋を作る零細企業が社運をかけ、ランニングシューズの開発に挑む。 スカッとする勧善懲悪。仕事に行き詰ま…

【読書感想】坂上琴「踊り子と将棋指し」

【ジャンル】その他 【書評】D 【感想】 記憶を喪ったアルコール依存症のオダと踊り子、依子の純愛物語。 物語に将棋の話が出てくる。僕は将棋が趣味なので、読んでいておもしろかったが、将棋を知らない人にとっては本作を読みづらくしてしまっているかも。…

【読書感想】木皿泉「昨夜のカレー、明日のパン」

【ジャンル】その他 【書評】C 【感想】 「悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだと知ってから、テツコは、いろいろなことを受け入れやすくなったような気がする。」 25歳で亡くなった一樹。その妻、テツコは今でも一樹の父、ギフと一緒に暮らしている。そ…

【読書感想】三浦しをん「舟を編む」

【ジャンル】企業・仕事 【書評】S 【感想】 大学に通っていた頃、小説は長編であればある程、読み応えを感じていた。当時は村上春樹や宮本輝が好きで、図書館で借りてきて、文字どおり寝食も忘れて読み漁っていた。 しかし、就職して結婚して子どもができて…

【読書感想】夢枕獏「神々の山嶺」

【ジャンル】ミステリー・冒険 【書評】B 【感想】 伝説の山岳クライマー、羽生丈二をジャーナリストの深町が追う。追うなかで、明らかにされる羽生の過去と1台のカメラの謎。 物語は深町の視点で語られる。山を登る臨場感を味わいたいなら笹本稜平さんの作…

【読書感想】宮木あや子「校閲ガール」

【ジャンル】企業・仕事 【書評】A 【感想】 サクッと読めておもしろい、良質なファストブックだった。おもしろい本にはよく感じるが続編が読みたくなる。 なぜかこの本を読んでいたら、安野モヨコさんの「ハッピー・マニア」を思い出した。

【読書感想】恩田陸「夜のピクニック」

【ジャンル】その他 【書評】A 【感想】 本屋大賞を受賞してから随分経つ。なかなか手が出なかったのは、僕もいい大人になって、青春だとか恋愛ものに感情移入できないと思っていたからだ。 物語は高校の全校生徒が80キロ歩く、歩行祭の朝から始まる。西脇融…

【読書感想】笹本稜平「ソロ」

【ジャンル】冒険 【書評】B 【感想】 ヒマラヤ山脈を舞台とした山岳小説。まるで一緒に山を登っているような気になれる1冊。作者の書き方が上手いのか、読んでるこちらが息を飲む場面がいくつかあった。磯村のサイドストーリーは好みの別れるところだが、…

【読書感想】瀧羽麻子「乗りかかった船」

【ジャンル】企業・仕事 【書評】B 【感想】中堅の造船会社「北斗造船」で働く社員のそれぞれの立場での悩みや希望を丁寧に描いている。当たり前だが同じ会社で働いていても立場やバックグラウンドで変わる、様々な人間模様が書かれていて面白い。 本作を読…

【読書感想】横関大「スマイルメイカー」

【ジャンル】ミステリー 【書評】A 【感想】 「子供だろうが老人だろうが、テロリストだろうがロマンチストだろうが、金さえ払ってくれれば誰でも乗せる。そしてどんな人間でも、このタクシーから降りるときには必ず笑顔になる。それがスマイル・タクシーだ…

【読書感想】東野圭吾「危険なビーナス」

【ジャンル】ミステリー 【書評】A 【感想】 東野さんの作品を初めて読んだ。読みやすい文体、魅力的な登場人物、そして、読み手が作品にのめり込める仕掛けが随所に張り巡らされている。 話を本作に戻す。動物病院で働く伯朗(はくろう)は、年の離れた異父の…

【読書感想】星野源「蘇える変態」

【ジャンル】エッセイ 【書評】B 【感想】 よく芸能人の本はゴーストライターが書いているというが、本作は確実に違う。内容が、いい意味で低俗で型破りだからだ。ゴーストライターならもう少しまともな文章を書くはずである。 本作は星野さんが世間一般で有…

【読書感想】万城目学「パーマネント神喜劇」

【ジャンル】ファンタジー 【書評】B 【感想】 いい加減だが人情味あふれる縁結びの神様の奮闘記。縁結びのノルマに明け暮れる神様のところにフリーライターの「ちはやふりー」が現れ、二人の掛け合いで物語が進む。 神社で神頼みしている人に、本作のような…

【読書感想】辻仁成「エッグマン」

【ジャンル】その他 【書評】A 【感想】 料理で人を幸せにし、複雑な人間関係を解きほぐすなんて、実生活ではあり得ない。当たり前のことだ。しかし、小説の中ではあり得る。だから小説は面白い。 そして本作を読むと穏やかで温かい気持ちになれる。

【読書感想】谷村志穂「移植医たち」

【ジャンル】医療 【書評】B 【感想】 「見栄や外聞よりも大切なものがある」 若き医師、佐竹山は、移植医療の権威、セイゲルの情熱に感銘を受け、渡米しアメリカの移植医療の現場に身を投じる。 脳死したドナーから提供される臓器で、命をつなぐ患者。日本…

【読書感想】あき「ズボラ家計簿」

【ジャンル】その他 【書評】A 【感想】 今年の3月から家計簿を付けているが、気付いたことは思った以上に毎月お金を使っているということ。そして、どうすればいいか考えた。その結果、外食の回数を減らしたり、お昼をお弁当にしたり、コンビニでの買い物…

【読書感想】中村航「無敵の二人」

【ジャンル】スポーツ(ボクシング) 【書評】B 【感想】 父の意思を継いでボクシングジムのトレーナーになったひかると、サッカーをけがで挫折し、ボクシングを始めたハタケの物語。 始まりは、ひかるの幼い頃の話。ひかるのキャラクターをたたせるためには必…

【読書感想】片岡翔「さよなら、ムッシュ」

【ジャンル】ファンタジー 【書評】C 【内容】 好きな作家さんの本を片っ端から読み漁るのもいいが、まだ読んだことのない作家さんの本を読むのも新鮮味があって楽しいし、新しい世界がひらける。 本作は、出版社で校正の仕事をする星太朗(27歳)と、命を宿し…

【読書感想】勝間和代「新・知的生産術」

【ジャンル】ビジネス 【書評】S 【感想】 ビジネス書に賞味期限はあるのか?答えは否である。確かにIOTや企業のコンプライアンスなど、数年前では考えられない程、激化している。本書も今では古くなった内容が散見される。しかし、本書に限らず作者が本当に…

【読書感想】野矢茂樹「無限論の教室」

【ジャンル】学問 【書評】A 【感想】 子どもの頃、1番大きい数は無限だと思っていた。では、無限という数は偶数か?奇数か?と問われると答えられない。無限が数であるならば、そのどちらかに属するはずだ。じゃあ、無限て、何だ?すごく知的好奇心が刺激…

【読書感想】天野貴元「オール・イン」

【ジャンル】手記 【書評】C 【感想】 本を読む醍醐味のひとつは、他人の人生を追体験できるところだ。 藤井聡太さんの出現で注目を集めている将棋界の話。藤井さんが光なら、天野さんは影の部分かもしれない。天野さんはプロ棋士になろうと挑戦するが、もう…

【読書感想】上橋菜穂子「闇の守り人」

【ジャンル】ファンタジー 【書評】S 【感想】 王の主治医であった父が王家の家督争いに巻き込まれ殺される。秘密を知っているかも知れない娘バルサも殺されそうになるが、父の親友で天才的な短槍使いであるジグロによって国から逃がされ、ジグロと共に逃避…

【読書感想】中室牧子『「学力」の経済学』

【ジャンル】子育て【書評】A 【感想】 タイトルで、食わず嫌いの人もいるかもしれないが、食わないのはもったいない内容。基本、学力の向上についてデータを分析して有効な方法を紹介している。 各家庭でそれぞれ教育論については一家言あると思う。それに…

【読書感想】村上春樹「村上朝日堂」

【ジャンル】エッセイ 【書評】B 【感想】 今から33年前、村上さんが35歳のときの作品。 今の村上さんはノーベル賞候補になったり、イスラエルで政治的な発言をしたりと、硬派なイメージがあるが、あれは周りが作ったイメージだと思う。 例えば、この本の中…

【読書感想】近藤史恵「スティグマータ」

【ジャンル】スポーツ(自転車レース)【書評】A 【感想】 この作者の自転車レースものはどれを読んでも面白い。自転車レースに詳しくない人はシリーズ一作目の「サクリファイス」から読み始めることを勧める。自転車レースの世界を丁寧に解説してある上に本屋…

【読書感想】石川英明「食べ順爆発ダイエット」

【ジャンル】ダイエット【書評】C 【大まかな内容】 野菜→タンパク質→炭水化物といったように食べ順にこだわる。体重が落ちなくなってきたらドカ食い(爆発)して、レプチンを増やして停滞期を打破する。 【実践結果】 1か月試したところ、3キロ減。本をキッ…

【読書感想】堂場瞬一「神の領域」

【ジャンル】司法・刑事・スポーツ(マラソン) 【書評】B 【主な登場人物】 城戸 南(きど みなみ) 神奈川地検の検事。大学の途中までは陸上の長距離選手。40代。妻はニューヨークに単身赴任中で、妻の実家で中学生の娘と暮らす。酒は弱いが飲むのは好き。喫煙…